【特別区】論文の模範解答を一挙公開!「①住民との信頼関係」

特別区 論文テーマ

住民との信頼関係の構築について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

 

特別区 論文解答

特別区では、地域の防犯パトロールや食品ロスの削減活動等、地域住民や地域団体と行政が協働した取組みが様々に展開されいている。

なぜ近年、住民との協働が積極的に推進されているのか。
背景として、住民ニーズの多様化や特別区の財政が逼迫していることが挙げられる。
社会の成熟化や地域コミュニティの希薄化が進んだ現在、地域の抱える課題はますます複雑・多様化している。
また、人口減少・少子高齢社会を間近に控え、増大する社会保障費や老朽化が見込まれるインフラ対策など課題は山積しており、特別区の財政に余裕はない。
そこで、多様な住民ニーズに応えるため、地域住民や地域団体と協働した取り組みが求められている。

地域住民と行政が協働するにあたり、その基礎となるのが住民との信頼関係である。
信頼関係が構築されていなければ、協働の取り組みにより課題を解決し成果を得ることは望めない。
また、地域住民や地域団体の十分な担い手が集まらず、取り組みを継続することは困難である。
したがって、特別区は住民との信頼関係の構築に努める必要がある。

それでは、区政の第一線で住民と接する特別区の職員は今後、どのような役割を果たしていくべきか。
私は、多様化している住民ニーズをしっかりと把握すること、得られた住民の声が政策にどのように反映されているのかを分かりやすく周知することが求められると考える。
窓口での丁寧な対応や笑顔での対応はもちろん大切だが、さらに一歩踏み込み、地域の困り事に対して行政が誠実に対応していることを住民が実感できる取り組みを行うことが、信頼関係の構築には欠かせないからである。
具体的な取り組みを以下に述べる。

第一に、住民の声を直接聞く機会をより大切にすることである。
例えば、杉並区で取り組まれている「すぎなミーティング」が参考になる。
これは無作為抽出により選ばれた区民が、区政の課題をテーマとして区長と直接意見を交換する場である。
ミーティングの運営は特別区職員が担当するため、区長だけでなく特別区職員にとっても多様化する住民二ーズを把握できるだけでなく、住民との交流を通して信頼関係の構築に直接つながる良い機会である。
ミーティングでは、区政の課題といっても堅苦しいテーマばかりではなく、「身近な体育館を自由に使えたらどうだろう」等、幅広い世代が関心を持って意見交換しやすいテーマを設定するとより効果的であると考えられる。

第二に、得られた住民の声が政策にどのように反映されているのかを分かりやすく周知することが重要である。
パブリックコメントや自治会の集会等で住民が意見を述べても、自分の声が政策に反映されているという実感がなければ、次回以降も意見を述べてニーズを示す意欲は低下してしまうだろう。
区のホームぺージや広報誌で、パブリックコメント等で得られた声がどのように新しい条例や決まり事に反映されたのか、どんな世代が見てもわかりやすいような表現で周知することが効果的だと考えられる。
専門用語を多用したり常用ではない漢字や表現を用いるのではなく、行政に詳しくない人が見ても理解しやすい言葉で表現するよう注意が必要である。
将来大人の住民となる中学生や高校生が見ても分かりやすい表現であれば、区政に意識の高い中学生や高校生からも信頼が得られ、将来的に官民協働の取り組みに前向きに参加してもらえることが期待される。
年齢に関係なく多くの住民が、自分の声が行政に反映されていることを実感できれば、信頼関係の構築につながると考えられる。

私は今後、特別区の職員として地域に飛び出し、住民と直接交流する機会を積極的につくり、住民との信頼関係の構築に貢献できるよう励みたい。

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